近視について

眼について
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近視は現代社会において非常に一般的な視力障害です。

特に、子どもの目の成長期においては、軸性近視や屈折性近視といった種類が進行しやすく、ご家庭などで対策が必要です。

今回は、近視の基本的なメカニズム、遺伝と環境の影響、進行防止のための具体策、さらに矯正治療として広く行われているレーシック手術について、その効果だけでなくリスクや合併症についても簡単に解説します。

正しい知識を持って子どもの目の健康を守るための第一歩にしましょう。


1. 近視の基本知識と分類

1-1. 近視とは何か

近視(きんし)または近視性視力障害とは、眼球の形状や屈折力の異常により、入ってくる光が網膜より前で焦点を結んでしまう状態です。

これにより、近くの物は比較的はっきり見える一方で、遠くの物がぼやけて見えるという特徴があります。

特に成長期の子どもは眼球の発達途中であり、環境要因や遺伝的背景により近視が進行しやすいとされています。

1-2. 近視の原因とメカニズム

近視の発症には、以下の複数の要因が関与しています。

  • 遺伝的要因
    両親が近視の場合、子どもが近視になる確率が高まります。
    一卵性双生児の研究などからも、遺伝の影響は非常に大きいことが示されています。遺伝子が200種類以上関与しているとされ、特に強度近視の場合、遺伝の影響が顕著です。
  • 環境要因
    長時間にわたる近業(近くのものを読む、スマホやパソコンの使用など)が近視リスクを高めるとされています。
    また、屋外で過ごす時間が不足することも、近視の発症や進行に大きく影響します。
  • 眼球の成長
    学童期には眼球が成長し、眼軸(眼球の前後の長さ)が過度に伸びることが近視の主要な原因となります。
    成長期の管理が重要となる理由です。

1-3. 近視の分類:軸性近視と屈折性近視

近視は、その原因やメカニズムに基づいて大きく2種類に分類されます。

  • 軸性近視
    軸性近視は、眼球が前後方向に長くなる、つまり眼軸が伸びることによって発症します。
    これは成長期の子どもに多く見られ、遺伝的要因と環境要因が複合的に影響します。
    眼軸が過度に伸びると、入ってくる光は網膜より前で焦点を結んでしまい、遠くがぼやける原因となります。
  • 屈折性近視
    一方、屈折性近視は、角膜や水晶体など眼内の屈折媒体の異常により発生します。
    眼球自体の大きさや形状が大きく変化しなくても、屈折力が過剰であるために、焦点が網膜手前に結ばれてしまうケースです。
    屈折性近視は、眼鏡やコンタクトレンズによる矯正が有効な治療法となります。

2. 遺伝と環境の影響:子どもの目を守るために

2-1. 遺伝的要因の影響

近視は、家族内での発症率が高いことから、遺伝の影響が強い疾患です。

両親が近視の場合、子どもは近視になるリスクが約2倍から5倍に上がるとされています。

遺伝子が200種類以上関与しているとされ、強度近視の場合、遺伝の影響は特に大きくなります。

遺伝的要因自体は変更できませんが、リスクを認識することで、早期対策や環境改善に繋げることができます。

2-2. 環境要因との相互作用

子どもの近視進行には、屋内での近業作業の多さやデジタルデバイスの長時間での使用が大きな影響を与えます。
特に、屋外活動の不足は、近視の進行リスクを高める要因として注目されています。研究では、1日あたり2時間以上の屋外活動を行うことで、近視の進行リスクを大幅に低下させる効果が示されており、親子で意識的に取り組むことが推奨されます。


親が近視だと子どもも近視になりやすいのは、
顔が似るように目の大きさも似るってことなのね~

3. 近視の進行防止のための具体的対策

3-1. 屋外活動の重要性

屋外での活動は、近視の進行防止において最も効果的な対策のひとつです。
太陽光に含まれるバイオレットライトは、眼球の成長を調整する作用があるとされ、屋外で2時間以上過ごすことで、近視の発症リスクや進行を抑える効果が期待できます。学校や家庭で、子どもが積極的に外で遊ぶ時間を設けることが大切です。

3-2. 正しい姿勢と休憩の取り方

読書やパソコン作業の際、目と書籍・画面との距離を30cm以上保ち、適切な照明環境(300ルクス以上)を整えることが推奨されます。
また、長時間近くを見る作業は目に大きな負担となるため、30分ごとに10分程度の休憩を取り、遠くを見たり目を閉じたりしてリラックスさせる習慣が重要です。

3-3. 20-20-20ルールの実践

デジタルデバイスの使用による眼精疲労を軽減するため、20-20-20ルールの実践が有効です。
具体的には、20分ごとに目を休め、20秒間遠く(約6メートル以上)の景色を眺めることで、目の筋肉をリラックスさせる効果があります。
タイマーを設定するなど、意識的に休憩時間を確保することが大切です。

3-4. デジタルデバイスの使用制限と健康的な生活習慣

子どもがスマートフォンやタブレット、パソコンなどのデジタルデバイスを長時間使用することは、近視進行のリスクを高めます。
保護者は使用時間を管理し、必要に応じて休憩を促すよう努めることが重要です。
さらに、十分な睡眠、バランスのとれた食事、そして定期的な視力検査が、全体的な目の健康維持につながります。


4. 近視の矯正治療とレーシック手術のリスク

4-1. 眼鏡やコンタクトレンズによる矯正

近視の矯正治療として、最も一般的なのは眼鏡やコンタクトレンズの使用です。

これらは安全で手軽な方法であり、特に単純な近視や屈折性近視の場合に有効です。

正しい処方で作られたレンズを使用することで、視力の改善が期待できます。

4-2. 屈折矯正手術:レーシック手術とそのリスク

レーザーを用いた屈折矯正手術、特にレーシック手術は、近視や乱視を矯正するために広く行われています。

手術により角膜の形状を永久的に変えることで、眼鏡やコンタクトレンズに頼らずに視力を改善することが可能です。

しかし、レーシック手術には以下のようなリスクや合併症が伴うことも理解しておく必要があります。

  • ドライアイ
    レーシック手術後、涙液分泌が一時的に減少し、目が乾燥する症状が現れることがあります。多くの患者が術後数ヶ月間ドライアイを経験しますが、通常は時間の経過とともに改善します。
  • 視力の変化(近視の戻り)
    手術後に視力が安定せず、元の近視状態に部分的に戻る場合があります。特に強度近視や乱視の患者においては、このリスクが高くなる傾向があります。
  • ハロー・グレア現象
    夜間に光源の周りに光の輪(ハロー)や眩しさを感じることがあります。これは角膜の形状変化が原因で、症状は通常徐々に改善しますが、一部の患者では長期間持続することもあります。
  • 角膜の不正乱視
    手術中に角膜フラップの作成が不完全であったり、位置ずれが生じた場合、不正乱視が発生し、視力に影響を与えることがあります。この場合、再手術が必要となるケースもあります。
  • 感染症
    レーシック手術は外科的処置であるため、感染症のリスクも伴います。適切な術前・術後の管理と抗生物質の使用によりリスクは低減されますが、万が一の場合は視力に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
  • 角膜膨隆(ケラトエクタジア)
    角膜が薄くなり形状が変化することで、視力が悪化する稀な合併症です。非常にまれではありますが、レーシック手術のリスクの一つとして認識されています。
  • 視力の不安定性
    手術後、視力が安定するまでに数ヶ月を要する場合があり、この期間中は視力の変動が生じることもあります。特に強度の近視や乱視の患者では、安定までの期間が長引く可能性があります。

レーシック手術は、効果的な視力矯正手段として多くの方に選ばれていますが、これらのリスクを十分に理解し、信頼できる専門医と十分なカウンセリングを受けた上で判断することが大切です。


5. 子どもの近視管理と家庭でできる対策

5-1. 親子で実践する生活習慣の改善

子どもの目の健康を守るためには、家庭での日常生活の見直しが欠かせません。屋外での十分な遊び時間、正しい姿勢での学習、そしてデジタルデバイスの使用制限など、親子で協力して生活習慣を改善することが、近視の進行防止に直結します。さらに、定期的な視力検査を通して、早期の異常発見と迅速な対策を行うことも重要です。

5-2. 学校・地域との連携

学校においては、定期検査の実施や休憩時間の確保、そして屋外での活動の促進が行われています。保護者は、これらの取り組みに積極的に参加し、地域全体で子どもの視力管理に努める姿勢が求められます。学校や地域のイベント、スポーツ活動などを通じて、子どもたちが楽しく健康的な生活を送れる環境作りを支援しましょう。


Q&A:よくある質問

Q1. 近視の主な原因は何ですか?
A1. 近視は、遺伝的要因と環境要因が複合的に影響して発症します。特に、長時間の近業作業や屋外活動の不足が進行リスクを高めるとされています。

Q2. 軸性近視と屈折性近視の違いは何ですか?
A2. 軸性近視は眼球の前後方向への伸び(眼軸の延長)が原因で、成長期に多く見られます。一方、屈折性近視は角膜や水晶体の屈折力の過剰によるもので、眼鏡やコンタクトレンズでの矯正が主な治療法となります。

Q3. 子どもの近視進行を防ぐためにどのような対策が有効ですか?
A3. 定期的な視力検査、1日2時間以上の屋外活動、正しい姿勢での学習、20-20-20ルールの実践、そしてデジタルデバイスの使用時間の管理など、生活習慣全般の見直しが効果的です。

Q4. レーシック手術は安全ですか?
A4. レーシック手術は多くの方にとって効果的な視力矯正手段ですが、ドライアイ、視力の戻り、ハロー・グレア、角膜の不正乱視、感染症、角膜膨隆、視力の不安定性などのリスクや合併症も伴います。

手術前には十分な説明と専門医とのカウンセリングが重要です。

Q5. 遺伝的に近視になりやすい場合、どのような予防策が考えられますか?
A5. 遺伝的リスクは変更できませんが、環境改善(屋外活動の充実、適切な視距離の確保、休憩の徹底など)や健康的な生活習慣を実践することで、近視の進行を抑えることが可能です。


まとめ

近視は、遺伝と環境が密接に関わる視力障害であり、特に成長期の子どもの目は進行しやすい状態にあります。

軸性近視と屈折性近視という2つのタイプに分かれ、それぞれの原因や治療法に違いがあるため、正確な診断と適切な対策が不可欠です。

家庭や学校、地域全体で協力し、屋外活動の増加、正しい姿勢の保持、デジタルデバイスの使用管理、そして定期検診などの生活習慣改善を徹底することで、近視の進行防止に大いに役立ちます。

また、視力矯正治療として広く利用されるレーシック手術も、効果が期待できる一方で、ドライアイや視力の戻り、ハロー・グレア、角膜の不正乱視、感染症、角膜膨隆といったリスクが存在するため、手術を検討する際は十分な情報収集と専門医との相談が必要です。

正しい知識をもとに、治療のメリットとリスクを冷静に判断することが、後悔のない選択へと繋がります。

近視対策は、今日から始められる小さな習慣の積み重ねが、将来の大きな視力維持に結びつきます。

親子で協力し、日々の生活の中で意識的に目のケアを行い、安心して成長できる環境を整えていきましょう。今後も最新の研究成果や専門家のアドバイスに耳を傾けながら、子どもの目の健康を守るための取り組みを続けることが大切です。

今回は特に文字が多いな

ちょうどよいバランスを模索してます_(:3 」∠)_

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