はじめに
子どもの視力や眼の健康は、親として大変気になるところですね。
特に斜視や斜位といった眼位異常は、見過ごされがちですが、早期発見が将来の視力に大きな影響を与えます。
今回は、未就学児に多く見られる調節性内斜視を中心に、斜視と斜位の違いや発見のポイントをかんたんに解説します。
子どもの健康な視力を守るために、覚えておきましょう。
斜視と斜位、眼位異常について
斜視と斜位の違いとは?
斜視とは、両眼が同じ方向を見ていない、視線が一致していない状態です。
例えば、下の図のように左目が正面を見ているときに、右目が内側にずれてしまうのが斜視です。
目が内側に寄るものを内斜視、外側にズレるものを外斜視と呼びます。
(上下、回旋などはここでは省略します、外斜視も多くは触れません。)
一方で、斜位とは普段は目がほぼ同じ方向を向いているものの、
片目を隠したり、集中して何かを見るときにズレる状態を指します。
斜視は見た目で比較的わかりやすいですが、斜位は気づきにくいことが多いです。
(軽度な斜位は多くの人が気付かずに持っています。その多くは生活に支障ないです。)
これらの違いを理解することで、親が子どもの目の異常に早く気づけることがあります。
特に未就学児では、視力の発達がまだ進行中であるため、
これらの問題が将来的な視力に影響を及ぼす前に対応することが大切です。
視線がズレたまま → 斜視
ズレたりズレなかったり → 斜位
くらいの感覚で良いと思います。
斜視や斜位はどのように発見できる?
子どもがテレビを見るときに顔を斜めに向けたり、片目をつぶる仕草を見せたりする場合、
それは斜視や斜位のサインかもしれません。
例えば、目が光に対してどう反応するかを観察することで、簡単にチェックできます。
ペンライトを使い、光が瞳の中心に映る位置を確認してください。光の位置が左右で異なる場合、斜視や斜位の可能性が考えられます。
書いたけど、これ↑慣れてないと難しいだろうなぁと感じてます(汗)
また、斜位は疲れたときや集中力が切れたときに現れることが多いので、日常的にお子さまの行動を注意深く観察することが重要です。
こうしたサインを早期に発見できれば、眼科医に相談するタイミングを逃さずに済みます。
調節性内斜視 特徴と治療法
調節性内斜視とは?
ここが本題です。
調節性内斜視は、遠くを見るときに目が過剰に頑張ることで目が内側に寄る状態です。
この斜視は特に遠視が原因で起こりやすく、未就学児に多く見られます。
具体的には、遠くのものを見る際にピントを合わせる力(調節力)が過剰に働き、
その結果として片目ないし両目が内側にずれてしまいます。
このタイプの斜視は、適切な治療を受けることで改善が期待できるため、早めの診断が非常に重要です。
もしお子さまがテレビを見るときに顔を傾ける、目を細めるといった行動をしている場合は、
調節性内斜視の可能性を考慮し、早めに眼科医に相談してください。
眼科が沢山あってどこの眼科に行ったらいいかわからないときは、
1.視能訓練士さんがいる眼科か
2.小児眼科、弱視治療を掲げているか
に注目するといいと思います。
もちろん上記が無くても、子どもを診るときは特に気合入れて診てくれてるな、と感じるので心配ないと思います。眼科めっちゃいい人多いです。(個人的感想です)
早期発見が重要な理由
調節性内斜視をそのまま放置しておくと、視力の発達が妨げられるだけでなく、弱視や立体視の問題につながる可能性があります。
立体視とは、両目で見ることで物の奥行きや立体感を感じ取る両眼視機能のことで、これが損なわれると日常生活に支障をきたすことがあります。(例えば、特定の運転免許が取れないなど。)
早期に診断を受けて適切な治療を始めることで、こうしたリスクを回避できるだけでなく、子どもの目が正常に発達する可能性が大いに高まります。
親として、日常生活の中でお子さまの目の異常を注意深く観察する習慣を持つことが大切です。
治療法の選択肢
調節性内斜視の治療法として、まず遠視を矯正するためのメガネの使用が一般的です。
このメガネは、目が過剰に調節力を使うのを防ぎ、斜視の改善に役立ちます。また、適切な度数のメガネを使用することで、目にかかる負担を軽減する効果も期待できます。
場合によっては、プリズムレンズや視力訓練、さらには手術が必要になることもあります。
治療法を選ぶ際には、眼科医との相談が欠かせません。定期的な検診を受け、子どもの目の状態に応じた最適な方法を選びましょう。
因みにいきなりメガネ店に行っても小児の測定はしないから
まずは眼科に行ってね。
子どもの治療用メガネには補助金の制度もあるからね。
そっちもまた書く予定です。
親ができる日常ケアと観察ポイント
観察のポイント
子どもがテレビを見たり絵本を読むとき、顔を傾けたり目を細めたりする仕草がある場合、それは視力に問題があるサインかもしれません。
また、目を頻繁にこする、ものを見るときに極端に近づけるといった行動にも注意が必要です。
これらの兆候を早期に発見することで、眼位異常の発見につながります。
特に未就学児では、視力の発達がまだ途中であるため、親が日常的に注意深く観察を続けることが重要です。子どもが見ている世界を守るためにも、小さなサインを見逃さないよう心がけましょう。
頭が傾くのも、いつも同じ傾きだったら注意してね。
安静位といって複視(ダブって見えること)が起きない傾きなのかもしれないからね。
眼科医に相談するタイミング
気になる症状がある場合、3歳を待たずに眼科専門医を訪れることをお勧めします。
斜視や斜位は早期発見が鍵となるため、少しでも異常が疑われる場合には専門家の診断を受けることが安心につながります。
また、家族に斜視や斜位の既往がある場合は、遺伝的な要因を考慮してより早めに診察を受けるのがよいでしょう。専門家に相談することで、適切な治療法や今後のケア方針が明確になります。
うちの子も、自分にそこそこ知識があっても見極めはむつかしいから、
何度でもいうけど早めの眼科が正義です。
よくあるQ&A
Q1: 斜視と斜位は自然に治りますか?
A: 一部の斜位は成長とともに改善する場合がありますが、斜視は専門的な治療が必要なことが多いです。
Q2: 調節性内斜視はメガネだけで治りますか?
A: 遠視矯正用メガネで改善する場合が多いですが、症状により追加の治療が必要な場合もあります。
Q3: 斜視や斜位は遺伝しますか?
A: 一部の斜視は遺伝的要素が関与することがありますが、環境要因も重要です。
Q4: 何歳から視力検査を受けるべきですか?
A: 一般的には3歳ごろから視力検査を開始することが推奨されます。
Q5: 調節性内斜視が進行することはありますか?
A: 適切に治療されない場合、症状が進行し弱視につながる可能性があります。
まとめ
未就学児の斜視や斜位は、早期発見と適切な治療が鍵となります。
特に調節性内斜視は、遠視矯正用メガネで改善が期待できるため、早期に眼科医の診断を受けることが重要です。
親が日常的に観察を行い、定期的な検診を受けることで、子どもの視力を守るサポートが可能です。
この情報が参考になればうれしいです、子どもの眼の健康を守りましょう。
早期発見で治るかもしれないものだからね。
子どもの目の成長の為に、
眼科へ行こう
おしまい
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